本日4月19日、東京・池袋で80代男性が運転していたプリウスが暴走しゴミ収集車と衝突したという衝撃的なニュースが入りました。

 

歩行者ら10人が事故に巻き込まれ、そのうち心肺停止の重症だった母娘とみられる2人が亡くなられたという情報も入り、ひどく悲しい事故となってしまいました。

 

高齢者運転による自動車事故は以前から度々問題になっていましたが、今回の事故でSNSでは「いい加減、免許返納を義務化すべきだ!」という不満の声が高まっています。

 

この高齢者運転問題。現在は免許返納「推奨されている」にとどまっていますが、強制返納の仕組みを作るべきか。また義務化を阻んでいる問題とは何なのか。そのあたりについて情報を集め考えてみました。

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池袋での悲しい事故(4.19)

事故詳細

19日昼すぎ、東京・豊島区で乗用車とごみ収集車が衝突するなどして歩行者が巻き込まれる事故が発生した。意識不明の重体になっていた2歳くらいの女の子と、その母親とみられる30代の女性の合わせて2人が、搬送された病院で死亡した。NHKニュースが報じた。

引用:ライブドアニュース速報

 

現場近くに住む男性会社員(43)は「付近には靴や買い物袋が散乱していた」と振り返った。横たわっている負傷者らに消防隊員が駆け寄って助けており、横断歩道から離れた所には、原形をとどめない自転車が倒れていた。
「あまりに凄惨(せいさん)な現場」(男性会社員)で、周囲は沈黙に包まれていたという。
同署によると、乗用車は東京都板橋区に住む無職の男性(87)が運転していた。

引用:産経新聞ニュース

 

付近にいた計10人もの人が事故に巻き込まれ、現場は血だらけ。買い物袋も散乱していて、周囲は唖然として沈黙。消防隊のレスキュー活動だけが騒がしく行われていたといいます。

SNSの反応は

速報ニュースとSNSでの拡散によりこの事故は一瞬で世間に広まりました。「池袋の事故」「プリウス」「高齢者の運転」「免許返納」など事故に関するワードがtwitterのトレンドを埋め尽くし、この事故への関心の高さがうかがえます。

 

Twitterでのつぶやきで多かったのは「免許返納の義務化」を求める声でした。

 

運転している高齢者だって当然事故を起こしたいわけではないし、年を重ねるごとに自動車運転への注意は増していると思います。しかし自分が運転して大丈夫か大丈夫でないかは自分ではなかなか分からないもの。

70歳、80歳になって人をあやめてしまうのは。轢いてしまった側も悲しいです。

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免許返納を強制すべき?

義務化すべきの意見

高齢者の運転免許返納を義務化するべきだという人の意見で多かったのは以下のような理由でした。

80歳にもなって加害者として生きていくご老人が可哀想すぎる

被害に遭って亡くなってしまう人が不条理で悲しすぎる

都内は交通整備が充実しているのだから、免許返納を義務化しても問題ないと思う

 

被害に遭われる人だけではなく、轢いてしまった高齢者の今後の人生の事を考えると両者とも可哀想だという意見と、都内は免許返納しても暮らしていける環境であるという意見が多かったです。
また、「60歳過ぎたら定期的に運転試験を行い、不合格したら返納する仕組み」を提案する人などもいました。

免許返納義務化への反対意見

一方、高齢者の運転免許返納の義務化疑問を持つ人も多くいました。その中でも多かったのは以下のような意見です。

 

●田舎に暮らすご高齢が免許返納したら生きていけない

●自分が高齢者じゃないから「免許返納の強制化」とか言える

●高齢者だからって免許奪うのは完全に差別

 

どれも正論ですね。東京や大阪の都市部であれば交通手段が整っている上に、どこに住んでいても自宅近くにコンビニやスーパーがあるので、免許を返納しても生活は出来そうです。

しかし、車が必須な地方で免許を返納することになればお年寄りは生活していけません。

また、事故を起こすのは高齢者だけではないので、高齢者が事故を起こすたびに「これだから高齢者は…っ!!」と言ったりするのもいかがなものかと思います。

都市部なら返納義務化できる?

確かに、地方の田舎で免許を失っては生活に支障が出ますが、人口密度が高くてインフラが整っている都市部であれば問題なさそうですよね。

 

人口と人口密度に基準を設け、一定以上の地方自治体は免許返納義務の条例を設定するとか。政令指定都市で免許返納義務化を設けるとか…。

 

また、ある年齢になったら一律返納ではなく、「70歳超えたら3年に一度運転試験を受け、不合格であれば免許返納」とかであれば、年齢ではなく能力で返納義務の基準が決められます。

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高齢者の返納義務は差別?

なかには、「若者だってスピード出しすぎや飲酒、煽りなどのマナー違反で事故を起こしている!」「何でもかんでも『高齢者だから』は差別がひどい」と言った声も上がっていました。

 

 

確かに“事故の要因”の観点でみれば、高齢者の「アクセルの踏み間違い」など以外にも若者の「飲酒」「居眠り」「不注意」「煽り」「速度違反」などたくさんあるので、高齢者の運転ミスばかり取り上げて叩くのは差別的に聞こえます。

 

しかし“能力の観点”で言えば、18歳未満が「運転能力が不十分」という理由で一律免許取得できないようになっているため、80歳以上も同じ理由で免許返納義務を課しても差別にはならないのではないでしょうか。それを差別と言うのなら、18歳未満が免許取得できないことも差別に当たることなります。

免許返納の義務化はなぜ実現されない?

労働者の減少に繋がる?

プレジデントオンラインの記事でこのような記述がありました。

 

運転技能と判断力があって十分仕事がこなせる高齢者であっても、ある一定の年齢になると、免許を取り上げられる。そうなれば健全な高齢者から「こんな理不尽なことは納得できない」との不満の声が多く上がるはずだ。政府が高齢者の就労を推し進めようとしているだけになおさらだ。

引用:PRESIDENT Online

 

こういった法律に関わることはなかなか議論が進まず、もどかしい時間が長いように感じますが、免許の強制返納を実現させない一つの理由として、日本の労働力低下につながる恐れがあることが上げられるかもしれません。

 

例えば75歳で返納義務を課した場合、まだ元気でバリバリ仕事をしている75歳の人が車に乗れないがために仕事に影響が出た場合、日本の経済に大きな影響が出かねないといったところでしょうか。

 

特に団塊世代が定年退職に差し掛かり、ただでさえ労働者数が減っている状況でさらに労働者数が減ってしまうような法改正は、リスクが高いと言わざるを得ません。

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交通の利便性

 

何と言っても最大の理由はここにあると言えるようです。地方では唯一の移動手段と言っても過言ではなく、車の運転ができないとなると生活していけなくなる地域もあるでしょう。

 

既にインフラが整っている東京だけでの実施も、他県に住民票を登録して都内に住んでいる場合や、他県に住んでいて東京に車を走らせる場合など、様々なケースが考えられるため難しいのではないでしょうか。

最後に

いずれにせよ、高齢者による運転ミスでの事故問題は早急に改善が必要ですが、当分は「自主返納を勧める」ことしか方法はないのかもしれません。

 

不条理に人の命を奪う可能性、そして善良なお年寄りを加害者にしてしまう可能性を少しでも減らすために、国全体で検討すべき問題であると思います。

 

この池袋での事故により世間で問題意識が高まり、少しでも改善の方向に進んでいってほしいですね。

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